クリシュナ意識国際協会(ISKCON)

ISKCON創設者シュリーラ・プラブパーダ
ISKCON創設者シュリーラ・プラブパーダ

 1966年、尊師A・C・バクティヴェダーンタ・スワミ・プラブパーダがイスコン(クリシュナ意識国際協会)をニューヨークで設立されました。何百もの寺院そして農場やグルクーラ(学校)を備えたアシュラムを建設し、急速に世界中に広めました。

 イスコンは『バガバッド・ギーター』と『シュリーマド・バーガヴァタム』という時間を越えた経典の教えを基本とし、それを主チャイタンニャ・マハープラブから始まる師弟継承の教えとして受け継いでいます。主チャイタンニャは1486年マーヤープル・ダーマでお生まれになり、クリシュナ・バクティの科学を教えられました。主はマハー・マントラ(「救いのための大唱名」)、ハレー クリシュナ、ハレー クリシュナ、クリシュナ クリシュナ、ハレー ハレー/ハレー ラーマ、ハレー ラーマ、ラーマ ラーマ、ハレー ハレーを大衆に広められました。このマントラは現在のカリ・ユガには最も効果的です。世界中にクリシュナ意識を広めチャイタンニャの布教活動を成就させることがイスコンの目的です。

ガウディヤヴァイシュナヴァ(ベンガル・ヴィシュヌ派)の師弟継承図
ガウディヤヴァイシュナヴァ(ベンガル・ヴィシュヌ派)の師弟継承図

 イスコンはガウディーヤ・ヴァイシュナヴァ・サムプラダーヤの一部です。シュリーラ・プラブパーダから魂の系図を遡(さかのぼ)り、マドゥヴァーチャーリャ、主ブラフマーを経て、最後に主クリシュナご自身に辿り着きます。このパランパラー(師弟継承)の原則こそイスコンが本物であるという証拠です。

 クリシュナ意識を完成させるため、この組織に参加した人が必要なことを学べるようにシュリーラ・プラブパーダが設立されたのがイスコンです。

 現在イスコンは世界中で30のゾーンに分られ管理されています。それぞれのゾーンには少なくとも一人の古参の献身者が監理委員(GBC役員)として監督しています。副GCBが2人又はそれ以上いるゾーンもあります。イスコンの最高管理局はGCB委員会(全GBC役員から構成されている)です。GCB委員会は少なくとも一年に一回マーヤープルに集まり、組織報告および活動予定について話し合います。GCB委員会は投票により決定します。

 それぞれのGCBゾーンには寺院があります。拡大解釈すると、各寺院は経済的にも管理面でも独立しています。、マーヤープルが精神世界の本部であると考えていますが、イスコンに最高責任者はいません。各寺院には寺院長がいて大切な寺院運営を任されており一時的な責任者です。精神的な基準が守られているか、管理及び運営は適切になされているかを調査し、ゾーン内の調和ある運営を計るため、GBC委員は定期的に管理ゾーンの寺院を巡回します。
 

 GBC委員は番犬のようなものだとシュリーラ・プラブパーダはおっしゃいました。イスコンの将来のため、特に外部から進入してくる不純な哲学には常に警戒せよという意味です。

 「聞くことと唱えることの指導者が真の指導者だ」とプラブパーダはおっしゃいました。ですから、イスコンの指導者は組織を管理するだけでなく、精神面での規範となる修練や行動を怠ることができません。聞くことと唱えることの規範をイスコンの指導者が示せば、精神的に高い基準がイスコン内部で維持できるとシュリーラ・プラブパーダは強調されました。

 シュリーラ・プラブパーダがご存命のときとは異なり、イスコンには指導者と称される人はおりません。「私の死後は弟子全員が指導者になるのだ」とシュリーラ・プラブパーダはおっしゃいました。クリシュナ意識を広めるためにお互いが協力して務めるよう弟子たちに教えられました。この教えがこの運動を広げ続ける要(かなめ)として今でも守られています。