第二回・プルショッタマの由来

京都・三十三間堂の那羅延天(ナーラーヤナ)
京都・三十三間堂の那羅延天(ナーラーヤナ)

 前回に書いたように太陽暦と月暦の日数の数え方の違いによって3年おきに1か月余分な月が生じ、この月は余分という意味で俗にアディカマース{アディカ=余分、マース=月}と呼ばれています。「こんな余分な月なんて不吉兆だ、この月に敬虔な行いや精神的な活動をしてはいけない」と言われていました。また、マルマース(マル=排除されたもの、あるいは糞、マース=月)と呼ぶ人までもいました。

 太陽には太陽神、海には海神がいられるように、このアディカマースを司る女神がいられます。アディカマースの女神はこのように人々がこの月を侮辱していることをとても悲しく思い,ヴァイクンタにいるナーラヤナに心を打ち明けました。ナーラーヤナは女神のことを可哀想に思われ、一緒にクリシュナに相談しに行きました。

 クリシュナは心うちひだかれて嘆いている女神に、「心配しないでください。あなたの月は私にとってとても親しい月です。これからあなたの月は私の名前をとってプルショッタマ月と呼ばれることにしましょう。そしてこのプルショッタマ月に良い行いをする者は、ほかの月にするよりはるかに素晴らしい結果が得られ、愛と信念をもって私に仕える者は全ての願いがかなえられ、人生の終わりにゴーロカに帰ることさえできます。これよりあなたの月、プルショッタマ月はすべての月の中でも最高の月として知られ、この月に苦行を行う者は全ての罪から浄化されるでしょう」と言いました。